震災後は相馬市に在住していますが、その前は気仙沼~大船渡付近にいました。両方の地方でアイナメは釣りましたが、その地域差を大雑把に書いてみたいと思います。
結論から言うと、魚も住んでいる環境に大きく左右される、という事です
アイナメという魚種は一緒だが、環境が全く違う
主な地形が三陸は岩礁帯、相馬は砂か砂泥
岩手は岩礁帯が多く、そこに海藻が生えてアイナメ釣りのポイントになる、といった場所が多いです。海藻も年間通して多く生えていた印象です。ただ近年は磯焼けで海藻が生えない、なんて聞くようになりました。
それに対して相馬は砂~砂泥底が多く、海藻は少ないです。海藻は流れに負けないよう岩場に根を付けるからです。代わりにアマモのような砂地に根を張る海草は冬場に多く生えます。
夏場になるとホンダワラといった抜ける海草は流れ藻となります。なので、年中海藻や海草がある場所は限られ、毎年場所や量が変わります。
リュウグウハゼやチカといった三陸のアイナメの食べ物が相馬には居ない
三陸では通称ラグビーと言われるリュウグウハゼが岩礁帯に生息しています。これをイソメ餌で釣り上げ、生き餌や付け餌として使うと、アイナメが良く釣れると知られています。
あとチカというワカサギに似た魚が堤防で釣れます。これもアイナメの餌となっています。
相馬周辺にはリュウグウハゼは居ません。チカもほぼ居ません。そこのポジションにはボラやダボハゼが居ますが、大量に捕食されている様子は感じません。釣り上げた魚からそれらが出てこないからです。
冬場の水温が三陸は低い
定置や水試のデータを見ると、三陸の2~4月の水温は6℃台まで下がります。親潮の流れが来た時には4~5℃台になります。
相馬付近は2月~3月に年間最低水温7~8℃ぐらいを記録します。その後は上昇に転じ、4月には10℃台になります。松川浦は水深が無いのと淡水や外気の影響を受けるので、2~3月は水温6℃台まで落ちますが、上昇に転ずると海より早く水温が10℃台に乗ります。
夏場の水温は相馬の方が高い
夏場は逆に相馬の水温は23℃ぐらいまで上がります。水深の無い松川浦、日光の影響を受ける表層は25℃を超えてきます。
三陸の夏場の水温は18~20℃程度になります。
アイナメと場所や食べ物が被るクロダイが生息している
場所や食べ物が被るクロダイが相馬には生息しています。三陸にもクロダイは居ますが、仙台湾より北上すると数は少なくなります。
ただ2019年は三陸でもハタの幼魚が釣れ、メバルやタケノコメバルもよく釣れた、と聞いています。徐々に南の魚が北上していってるので三陸のアイナメも、他の魚と場所や餌が被る事がこれから出てくるのかもしれません。
三陸に比べてアイナメの生息数が少ない(釣り時の感覚からの推論)
感覚的な話なのですが、相馬のアイナメの当たり数は三陸に比べて半分程度に感じます。特に岸釣りはここ数年で場荒れもあり、当たりの数は激減しています。
三陸も随分当たりは減った、との噂は聞いていますが、自分は2年ほど行っていないので噂は噂としておきます。
上記の地域差を理解して三陸発の情報は使用する
相馬と三陸では上記の違いがあります。三陸の情報やパターンを応用する際は使える事、使えない事をやりながら選別しなければなりません。
例えば今からの夜アイナメですが、三陸ではGW頃まで続くようですが、相馬では3月終わりには昼にアイナメが釣れ始めます。4月には夜に釣れるアイナメは少なくなり、GW頃にはマヅメにシャローでアイナメが餌を追います。
この理由は水温が三陸より高い事、その頃はシラウオ取れ、それに他の魚が付く事、が関係していると考えていますが、まだ確証を得ていません。
(小話 産卵後のシーバスのバチ抜けパターンはここでは成立しない、と言われています。理由は沖にシラウオ、そしてメロードがいて岸に寄らなくてもシーバスは体力が回復できるからです。)
他の地方の情報を知り、ここの地方に当てはめて釣果を伸ばす努力はしていきたいですね。